・ビリーフ=何を信じているのか
スポーツの世界で、どれぐらいうまくなるのか、どちらが勝つのかを決めているものは、ビリーフです。
ビリーフとは、何を信じているのかということです。
ビジネスでも、うまくいくかどうか、成功するかどうかを決めているのは、何を信じているのかということなのです。結果は9割メンタルが決めています。
自分にはどのぐらいの能力があると思っているでしょうか?
自分はどれぐらい成功すると思っているでしょうか?
自分の目標が達成する確率は何%だと思っているでしょうか?
どれぐらい人とうまくやっていけると思っていますか?
自分では気が付いていない自分が思っていることや信じているビリーフが、現実のビジネスにも大きな影響を与えています。
自分が何を信じているのかを書き出してみましょう。
自分にはどれぐらいの価値があると思っているでしょうか?
自分はどれぐらいの売り上げを見込めると思っているでしょうか?
将来自分はどれぐらいのレベルまでいけると思っているでしょうか?
自分はビジネスを通して何を成し遂げると思っているでしょうか?
具体的に書き出して文字にしてみると、目に見えない自分の考えを客観視することができます。
・マイナスに作用するビリーフ、プラスに作用するビリーフ
ここで、マイナスに作用するビリーフとプラスに作用するビリーフにはどのようなものがあるのかをご紹介します。
【マイナスに作用するビリーフ】
「どうせできない」「やっても無駄」「勝てるはずがない」「経験がないと難しい」「そんなにうまくはいかないものだ」などがあります。
【プラスに作用するビリーフ】
「やればできる」「可能性は充分ある」「人は成長するもの」「〜しても大丈夫」などがあります。
私自身の体験なのですが、あるとき海外の講師のワークショップに参加しているとき質問したことがあります。
「わたしは、本を出版したいのですが、なかなか出版することができません。どうすれば出版できるようになりますか?」と尋ねたのです。
講師からの返事は
「何%それが実現すると思っていますか?」
というものでした。
私の頭の中に、「85%」という数字が出てきたので、それを答えました。
すると、「その数字が100%になったときに実現するでしょう」と言われたのです。
私はそのときに納得しました。自分が信じているパーセンテージが実現の可能性なのだと。
だとすれば、実現したいことは100%叶うと信じなければ叶わないということを学んだのです。
私は、100%出版できると信じきることにしました。
その後、私は18冊の本を出版することができました。
ビリーフは無意識なので自分では気づいていないことが多いものですが、結果にも大きな影響を及ぼしていますので、
結果を変えたければ自分が信じていること(ビリーフ)に気がついて変えていく必要があるのです。
ポイント |
『何を信じているのかというビリーフがすべてを決めている!』 なりたい自分になるためには、何を信じることが必要なのかと考えて切り替えていこう! |
・幸運をもたらす人間関係を構築
ビジネスでのチャンスは、必ず人がもたらします。
仕事を持ってきてくれるのも、抜擢してくれるのも人なのです。
そこで重要になってくるのが、幸運をもたらす人間関係の構築です。
どうすれば、幸運をもたらす人間関係を構築できるのか。
その鍵は、心の立ち位置にあります。
私たちには、目には見えない心の立ち位置があります。
心の立ち位置とは、自分をどれぐらい認めているのか、相手をどれぐらい認めているのかをグラフにしたものです。
目に見えない4つの立ち位置があります。
① 自分のことだけ認めて、相手を認めていないとき。 ② 相手のことは認めているけど、自分のことを認めることができない。 ③ 自分も相手もダメだと思う。どちらも認めることができない。 ④ 自分は素晴らしい存在で、相手のことも素晴らしい存在だと思える。(自分も相手も認めている) |
① 自分のことだけ認めて、相手を認めていないとき。
自分が正しくて相手は間違っている。自分は相手よりも知識を持っている。相手は未熟だと思っているときは、この心の立ち位置にいることになります。不満、イライラ、怒りなどの感情を抱きやすくなります。
この心の立ち位置にいるとき、相手は心地よくないので、幸運な人間関係を築くことは難しいでしょう。
② 相手のことは認めているけど、自分のことを認めることができない。
相手は素晴らしい能力を持っているのに、自分なんてぜんぜんダメだと思うとき、この心の立ち位置にいることになります。
劣等感、不安、心配、悲しみなどの感情を抱きやすくなります。この心の立ち位置にいるときは、自信を持つことができないので、
ビジネスでもよい結果を残すことは難しいでしょう。
③ 自分も相手もダメだと思う。どちらも認めることができない。
認めてくれない相手を責め、認めてもらえない自分を責めてしまいます。あなたも私も周りもすべてがダメだと思ってしまう心の立ち位置です。
この心の立ち位置にいると、絶望感やあきらめを感じやすくなります。
その場を放り出して離職したい気持ちになりますので、この立ち位置で仕事がうまくいくことはありません。
④自分は素晴らしい存在で、相手のことも素晴らしい存在だと思える。(自分も相手も認めている)
あなたは素晴らしい。私も素晴らしいと、自分も相手のことも認めている立ち位置です。この心の立ち位置にいるとき、
相手は認められてうれしい気持ちになります。やる気が高まり、困難なことがあっても自分たちなら乗り越えられると思えます。
この立ち位置にいるとき、生産的な考えが浮かび、生産的な行動をすることができて、その結果、達成感、満足感、喜びの感情を抱きます。
この心の立ち位置で向き合うと、自ずと幸運なことやチャンスが舞い込んできます。
・心の立ち位置が与える影響
心の立ち位置は目には見えないのですが、相手に与える影響が大きいため、人間関係の構築に重要なことなのです。
誰でも何かが起きたとき、自分の行きやすい心の立ち位置があるものです。
すぐにイライラするなら、相手を認めない立ち位置に行きやすいのかもしれません。
すぐに自己嫌悪を感じてしまうなら、自分を認めない立ち位置に行きやすいのかもしれません。
すぐにあきらめてしまうなら、自分も相手も認めていない立ち位置に行きやすいかもしれません。
何が起きたとしても、自分や周りの人を信じて、希望を失うことなく行動できるなら、自分も相手も認める立ち位置にいる時間が長いと言えるでしょう。
今までは、自動的に心の立ち位置が決まっていた人でも、これからは自分の意思で心の立ち位置を決めることができるようになります。
そのためには、自分を認める練習と相手を認める練習をすればいいのです。
自分や相手のことを認める働きかけを心理学では『ストローク』といいます。
ポイント |
ビジネスの成功は人間関係の質で決まる。 どのような関係性を築いていくのかが重要。 心の立ち位置を意識しながら、お互いに幸せになる関係性を築いていこう。 |
・自分を認める 相手を認める
「すごい能力ですね!」
「この商品素晴らしいですね!」
「あなたがいてくれると、心強いです!」
「あなたは最高のパートナーです」
という言葉を言われたとしたら、あなたはどのように感じますか?
うれしくなったり、やる気が高まるのではないでしょうか?
これがストロークというものです。
・ストローク=認める働きかけ
相手から認められたとき私たちはとてもうれしくなります。
自分のことを自分で認められるときもうれしいものです。
自分で自分を認めること、他者からみとめてもらうこと、この二つが心をイイ状態に保つうえでとても重要なポイントなのです。
誰かから褒められたり感謝されると、人はうれしくなってもっと頑張ろうと思えるのです。
ねぎらいの言葉、感謝の言葉、尊敬する態度がある職場は、プラスのエネルギーに満ち溢れていきます。
仕事が楽しくなり、自分の存在価値を感じながら、目標を持って仕事に取り組むことができるようになります。
指示命令しかなく、仕事はやって当たり前でだれかにねぎらいの言葉をかけてもらうこともなく、
できなかったときは叱られるような職場や人間関係では、人はやる気にはならないのです。
職場のエネルギーが悪くなり、働く人の心はどんどん疲弊していきます。
ストロークのことを研修で学び、実践する職場は、どんどんやる気が高まり、それに伴い売り上げも伸びていきます。
嫌な気持ちで終わる一連のやりとりを『心理的ゲーム』といいます。
たとえばゲームにはこんなものがあります。
・あらさがしゲーム
・あなたのせいでこんなひどいことになってしまったゲーム
・「はい、でもできません」ゲーム
・こんなに頑張っているのに誰も自分のことをわかってくれないゲーム
・私はダメな人間なのゲーム
・こんなにひどい目にばかりあうかわいそうな私ゲーム
・おせっかいゲーム
などです。
なにかトラブルが起きているときや、同じようなことが繰り返されているとき、それは心理的ゲームであることがほとんどです。
ゲームのことを学ばないと、ゲームは生涯繰り返されます。
・心理的ゲームの原因
なぜ人は不快な感情になるにも関わらず心理的ゲームを繰り返してしまうのかというと、ストロークがほしいからなのです。
認めて欲しいのに認めてもらえないとき、ストロークが足りていないとき、人はゲームをしてしまいます。
心理的ゲームをしながら、生産的な時間の使い方はできません。
本当に望む生き方をするために、自分の行動パターンを見直すことで精神的にも成長していくことができます。
トレス社会と言われる現代では、ストレスを受けたときにどのように気持ちを切り替えていくのかということが大事になってきました。
・ストレスの感じやすさ
同じ場面でも、受け取り方や感じ方は人それぞれ違うものです。
自分がストレスを感じやすいのか、それともそんなに気にならないのかを決めるものは、
自分を駆り立てる声の大きさ(=ドライバーの強さ)が影響しています。
チェックリストを使って、自分のドライバーの傾向を調べてみましょう。
・自分のドライバーと他人のドライバーは違う
他の人と比較してみるとわかるのですが、自分のドライバーと他人のドライバーの傾向は違います。
子どものころに、親や指導者など周りの大人たちからどのような言葉を言われてきたのか、それらの言葉をどのように受け取ったのかがドライバーの数字に表れています。
頭の中に取り込んだ声の大きさがドライバーの数字に表れているのです。
もっと完璧でなければいけない
もっと強くなければいけない
もっと努力をし続けなくてはいけない
人に喜んでもらわなくてはいけない
急がなくてはいけない
と思い込んでいる度合いが、ドライバーチェックリストに現れるのです。
この数値が高めの場合は、同じ状況下でも人よりもストレスを感じやすくなるわけです。
ストレスを緩和し軽減するためには、できごとを変えるよりも、内面のドライバーにアプローチするほうが効果的です。
アプローチの方法は、著書『ストレス体質を卒業し、生きづらさを手放す法』同文館をお読みいただくか、
講演やセミナー、個人セッションでお尋ねください。